Studio for Smiling Space Mail Magazine vol.18
2004年2月26日号No.18
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     *よりハッピーになる微笑む空間をつくりましょう!*

          ・-・- 生きているプロセス ・-・-

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いつも、ご笑読頂きまして、ありがとうございます。(*^o^*) 

柔らかな風、梅や菜の花から、春のエネルギーを頂くこの頃ですが、お元気ですか。

まるで、冬眠中のようにご無沙汰しておりました。ゴメンナサイ。
実は、私の虎の巻であるシリーズの、
Christopher Alexander 著
「THE NATURE OF ORDER Ⅱ The Process of Creating Life」が
クリスマス前に届きまして\(^o^)/、冬篭り状態となってしまいました。

勿論、生きる糧の為に、未来の都市農村生活を夢に描きつつ、
熊はいいな~と思いつつ、仕事はしておりましたが・・・。

この本のシリーズには、
人間が、生きている人間としてこの世界に存在し続ける道先案内の力があります。
かなり大袈裟と驚かれるかもしれません。
一方、私達の日々のストレスを開放し、生きるエネルギーをもたらし、
よりハッピーになる微笑み空間を得る為のガイドなのです。
解りやすい構成で、スケッチ、写真も多く、とても美しい本でもあります。
是非、ご購読して頂いて、より正統に、
認識を深めて頂ければハッピーです。(*^o^*) http://www.natureoforder.com/
→  https://www.patternlanguage.com

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さて、これまでは、「微笑み空間」を得る為に、
それを形、空間として、静的にみて参りました。
これからは、それが、どのように生まれ展開していくか、
動的にみていきたいと思います。
「微笑み空間」を得るガイドとなるルール、
「生きているプロセス」についてお話ししたいと思います。♪♪♪(^o^)♪♪♪
    
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ここで、ポイントは、
その構造そのものが動的に展開し、生き物であるということです。

「生きているプロセス」の中で、その行為の大小、創造する物の大小に拘わらず、
遅かれ早かれ、全ての段階で、全体の美しさ、つまり「命」を増していくのです。

このプロセスは、与えられた状況から起きる全体像から始まります。
それはなにか、その世界の形から脱皮していくようにも感じられます。
あらゆる段階が、このかなり大きな全体の感じが、
より深く、より強くされるようにという意識によって、成されるのです。
例え、それが取るに足らない小さなステップでもです。(^_-)-☆

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一方で、現在、殆ど全ての建物は、静的な最終的結果に向かって、
膠着した機械的なシステムの中で創られています。
その、各段階の狭い枠での一定の機能性のみが、
全体としてはバラバラに重視されていくのです。
実際のところ、法律の条文や、契約約款の各条項、
全ての設計図のみで創造されるわけでもないのです。
しかし、最終的な結果が見えずに、何かを判断し、決定し、実行していくのは、
不安で恐怖でもあります。
ある時点での、合意形成、共通の同意事項を遵守することが必須のように思われます。
しかし、この静的な機械的システムの中でのプロセスは、
「生きているプロセス」ではありません。 

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例えば、ここ数十年間、
普及している典型的な普通のビルディングが建てられるプロセスを見てみましょう。

建主は、その時点での用途地域や高度地区、前面道路などから、
機械的に建てることができるボリュームをチェックします。
大規模建物の場合は、事業採算計画を専門家に任せます。
建築家は、全体を見ることなく、その事業採算計画に基づき、関係する法律を遵守し、
あるイメージや、商業ビルならば市場調査のデータに基づき、(基本)設計します。

その後、安全に問題なく建物が建つか、
地震の時は、どのように持ちこたえられるかチェックするために、
エンジニア、構造設計担当者の登場です。
地下構造が大規模な場合、その専門家が登場します。
そして、最後に、この設計図、構造設計図は、
都市計画課や建築指導課の担当官にチェックされます。
こうした、担当官はその現場に行く義務はありません。
何か特別な状況で、一度、現地を見たとしても、
その敷地と建物の関係性を深める権限はないのです。

さて、この段階で、一度、許可されると、建設会社の選定、入札が行われます。
建設会社は、建築設計に関係していません。
与えられた設計図書、書類から、
できるだけ安く、同時に利益も最大限に確保できるように対処します。
また、融資獲得のため、銀行にもチェックされます。
更に、元請の建設会社から、実際に各工事をする下請け業者に図面がまわり、
その工事費が出されるのですが、
工場生産品の場合、卸値と組み立て費、運搬費と経費といった項目です。
建物全体のことには関係なく、済んでしまいます。

こうしたプロセス、システムの中で、
建主は、辻褄を合わせ、各段階でバラバラにならないようにするのに、
莫大な費用をかけます。
こうした、システムの中では、建設段階で、
ようやく新しい全体として建ち上がってきた建物に対して、無感覚です。ヽ(`Д´)ノ

そして、ランドスケープのデザインが、植物に詳しい専門家により成されます。
また、実際、指示に基づき、土に触れ、植栽するのは、造園業者で、
ここでも、契約上、人間的情緒、知識、建物からの働きかけから、
引き離されてしまっているのです。
最近では、インテリアも、別の専門家により成されます。
再び、前段階での実体から離れ、
与えられた全体に合うように、また与えられたモデュールに基づき、
表層的なスタイルやイメージを付加された、
何々調とネーミングされた工場生産品で組み立てるのです。
しかしながら、そこから生まれる各要素、床や壁や天井、窓枠ですら、
ほとんど情緒から離れ、冷たく、荒々しく、人間らしさが失われてしまうのです。
建物を使う者の情緒を考慮することことも稀です。
更に、既に在る種子が日に向かって芽を出して育つように、
建物の全体性から自然に生まれることも無くです。
また、塗装ですら、建物の文脈から生まれるのではなく、
カラフルなカタログの中に既に在る、既に作られたもので、
色を要素として機械的に扱うのです。ヽ(`Д´)ノ

    
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 本来の価値を生み出す、生きているプロセスでは、
あるゴールに向かって行くのではなく、
ダイナミックに、人間的情緒や、関係する者の善意から、
絶え間ない必然性によって導かれるのです。(^_-)-☆

これは、取るに足らない当たり前のことでも、
ただの理想でもなく、深い意味を持つことなのです。
誠実に人間的情緒に関係し、
本来、最終的結果は予想できないものなのです。(^_-)-☆

なぜなら、最終的結果がゴールではないのですから。
本来は、人間の本能、人としての実体、意味、知識を無視した、
ゴール志向では「微笑み空間」は得られないのです。
機械が実在する為の目的のように、
ゴールを決めて創造できるものではないのです。(^_-)-☆

こうして、機械的なシステムの中で、
実際の創造のプロセスは失われ、本来の価値、美を失い、
表層的なところで、次は何が受けるスタイルかと右往左往しているのです。

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 さて、本当の世界を見渡してみると、
恒常的に、全ては移ろい、変化、成長、展開しています。
人間の身体も変化しています。
樹木は、葉を支持し、やがて葉は落ちます。
道路にはヒビが入ります。人々の生活は毎週毎週、変化します。
建物は、雨風、地震の影響を受けます。
建物、街路、庭園などは、住む人、使う人によって絶えず修正され、
時には改良されたり、破壊されたりします。
まちは、絶えず、
数百の、数千の、あるときは数万といった多くの人々の協力の中で、
つくられ続けます。♪♪♪(^o^)♪♪♪

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どうして、この「生きているプロセス」という視点が本質的なのでしょうか。
それは、設計のコンセプトや、
企業の理事会室で描かれる未来、開発業者が描く最終結果、
こうしたものが、実際の自然、課題、可能性、
生きている環境と関係がないからです。

さらに、こうしたものは、実際のところ、
絶え間なく人々の世界を創造していくという潮流を避け、
人々を巻き込むことを避け、その結果、社会性と逆行しているのです。

「生きているプロセス」は、機械的なものではなく、
種から発芽、それが育ち、蕾をもって、それが開花するのと同じように、
予想できない、止めることのできない、
その瞬間の神、美徳、善意によって支配されるやり方、システムの中で、
現実の状態から未来が育つように展開していくのです。(^_-)-☆

 「じゃあ、どうすればいいの~」と思って頂けたら、ハッピー!

 次回からは、より具体的に、この「生きているプロセス」について、
取り上げて参りたいと思います。
それでは、次回をお楽しみに~(∩o∩)ノ

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