メール・マガジン No.23  2004年9月23日号


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     *よりハッピーになる微笑む空間をつくりましょう!!*
      ・--・ディープ・フィーリング 深い情緒 ・--

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お元気ですか。

いつも、ご購読頂きまして、ありがとうございます。(*^o^*) 

天高く、さわやかな秋風の中、

木槌の音が気持ちよく、より深く響きわたりました。ハッピー!!(^o^)

祭りの太鼓ほどではないですが、何か辺りの生命力が駆り立てられるようで、

ご近所の方々も、ここ十数年この音が聞けなかったと、

桧の4寸角柱の家の建て方を見学されていました。♪♪(^o^)♪♪

 

工場でのプレカットの仕口ではなく、

一族や仲間の中で凌ぎを削り、励ましあって培った良い物をつくるプライドと

代々伝わる教えと、長年の経験から木を知り尽くした目で、

その建物の其の場所にあった木を柱にしていくプロセスは、

生きることそのもので、そうしたプロセスから、有機的全体性が生まれ、

造る人、住む人、其の場所、其の建物、そこにある家具や器と全てが一体となるのです。

木槌で、「後、一寸、・・コーン・・後、5分、・・コーン・・後、

1分・・コーン・・もういっちょ・・コーン」と打たれて、

木の特性が最大限に生かされて、軸組みとして一体となるのです。

ホールダウン金物等の補強もありますが。♪♪(^o^)♪♪

 

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一時的な、戦後のニーズや、大量生産に合わせた、

短期間での効率的生産性という面からプレカットが生まれても、

本質的な価値観を失わず、伝統的な木造技術が受け継がれてきたことに、

胸が熱くなります。

 

もう10年以上前になりますが、

12月8日近くなど、バークレーで、ホーム・シックになった時、

それまで馴染んでいなかった北島三郎の「与作〜」を聞きながら、

自分が生まれ育った東京からかなり離れた、白川郷の写真集を見ていたものです。

ゲーリー・ブラック教授の有限要素法を使った構造デザインの授業で、

「ソウルフル・アーキテクチュアー」という課題がありました。

それで、朝起きて直ぐに頭にあったのが、白川郷の集落でした。

厳しい自然、厳しい生活の中で、本当に命を燃やしながら、

無駄なことをしたら死につながるような環境の中で、生み出されたものが、

其の自然の中で、本当の美を生み出している。

宗教建築よりも、ソウルフルと感じたからです。

 

今日、街中で建てられる住宅も、

考えようによっては、様々な圧力を受けながら、

そのヒートアイランドや酸性雨や隣家の室外機を避けなければならないといった

過酷な環境で、自然である人間が生きているという証を示し続けて、

その家や、まちがソウルフルになる可能性があるのですね。♪♪(^o^)♪♪

 

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この9月に上棟した家は、海や山が眺められる緑豊かな環境の中の郊外住宅です。

30年近く前に建てられたプレハブが老朽化して、

建て替えの相談があったのは、1年前の8月です。

その年の11月に風致地区内許可、12月に建築確認申請が受理となりました。

今年の4月に着工し、7月末には竣工予定でしたが、

人気のある施工者の順番待ちのため、4ヶ月間待つこととなりました。

それでも、当初予算のため、杉の35分柱であったのが、

桧の38分となった柱を見ながら、流通価格の靄に包まれながらも、

木槌の音を聞いて、待った甲斐があった〜と感じられて、ハッピー!!

施主様もニッコリ〜と、ハッピー!!
(^o^)

 

当初、本当に限られた予算の為もあり、

それぞれの職方に、事業主が直接発注する、分離発注を考えていました。

しかし、痛感したのが、

この仕事を進めていくプロセスをつむいでいくのは、コミュニケーションであり、

一時的な人間関係では、スムーズにはいかないということでした。

仕事でも、ドライなビジネスとは言い切れないのです。

コミュニケーション技術というよりも、方言まじりの会話のみではなく、

代々、長年支え合って、親方の息子、息子の親方、その一族と、

また各職方との長年の付き合いと、

これは、どこかのゼネコンの下請けといった関係以上の、

生き続けている人間関係です。

その深い信頼関係を活かしていくのが、無理なく良い建築を生む道と感じられました。

そして、土地に鋤を入れるとき、上棟のとき、

其のシンプルながらも形式的ではない儀式から、

深い情緒、ディープ・フィーリングが沸き起こるのです。

 

また、地元の技術者のこうしたコミュニティを、

かってのゼネコンのように強引に切り崩すのではなく、尊重し、

新しい人材の登用や、新しい考え方や構法を受け入れてもらいつつ、

「既存の社会構造を守りつつ変化する」ことになるのでした。(^_-)☆

そして、こうした心は通じたのです。

急かす高齢者である施主を励ましながら、4ヶ月間待った為もありますが、

杉の柱が桧になったのですから。♪♪♪♪

 

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やはり、限られた予算であったも、最良の建物でなければなりません。

既存プレハブの外周布基礎は腰壁、擁壁として活かし、

内部の基礎の破砕材は、適当な大きさにして、割栗として利用しました。

産業廃棄物を最小限にすることもできました。(^_-)☆

大量の、石や土をどこかの自然を崩して運んでくることはしません。

どこかの地下工事で出た土でも、わざわざ運搬する費用を捻出する気もありませんでした。

ベタ基礎、軸組材、屋根、外壁、外側開口部と優先的に考えました。

外壁や屋根に通気層をとり、外断熱にして冷房必要なし、暖房は最小限とし、

使える既存のものを活かして(^_-)☆、最低限の設備にしました。

そして、内装工事と外構工事は、二期工事として、

コツコツと楽しみながら(^_-)☆、安全な下地材の上に仕上ていくことにしました。

内装がし易いように、プラスターボードは一切使わずに、

3尺*6尺ごとに軸組み材や化粧胴縁があり、

どこにでも、手摺や棚が造り付けできるようになっています。

既存の敷地内配水管を活かし、庭からの湿気や眺めも考慮して、

高めの床レベルを維持した上で、

デッキ、スノコやスロープで段差をなくしていきます。♪♪(^o^)♪♪

 

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唯一の悩みは、全体の建物完成写真が撮れないことです。

何しろ、住みながらも作り続けていくプロセスで、「魂の家」にしたいのですから。

作庭プロセスのように、其の空間で最終的に決めていくプロセスです。

マスコミ社会には、そぐわないようですね。

役所への変更届けも、通常のプロセスですが、

これは、途中で再度全体を見渡す良い機会となります。(^_-)☆

 

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今回は、最新の具体例から、形式的、無機的プロセスからは生まれない、

「生きているプロセス」、生きている人間関係から生まれる、

深い情緒、ディープ・フィーリングについて、お話させていただきました。(*^o^*) 

どうぞ、拙い写真ですが、画像もご覧いただければ、ハッピー!!!

 

どうぞ、次回をお楽しみに〜(∩o∩)
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